最近はウェブサイト構築に加えECサイト構築のお問い合わせも増えてきました。
BASEを使ったECサイトの構築経験はありますが、グローバルスタンダードになりつつあるShopifyは触ったことがありませんでした。
一気に学んでしまおうと考え、「デイトラ Shopifyコース」と、2020年11月9日スタートのShopify公式の「Shopify Partner Boot Camp #4」を同時に受講しました。
「Shopify Partner Boot Camp」と「デイトラ Shopifyコース」
「Shopify Partner Boot Camp」は、動画講義がメインで、ワークは講義日と講義日の間に各自行う形式でした。
また、中間の理解度テストと、卒業制作があります。卒業制作は、ショップを、テストモードでもよいので作成して決済の直前までできるように仕上げるか、アプリを開発して期日までに提出することが求められます。
一方、「デイトラ Shopifyコース」では、スイーツのショップを作り上げていく流れで講義が進んでいきます。
今回は、初めてのストア構築になるので無理をせず、「デイトラ Shopifyコース」の講義とワークで作成したスイーツショップをそのまま「Shopify Partner Boot Camp」の最終成果物として提出することで、2つの講義を効率よく並行して進めることができました。
ストア構築スキルを身につける方法
Shopifyは、ストア構築方法を説明したウェブやPDFドキュメントを公開しているため、「Shopify Partner Boot Camp」や「デイトラ Shopifyコース」を受講しなくても、ストアを構築することができます。
しかし、Shopify特有の「パートナー」「マーチャント」といったShopify用語をまず理解する必要があるなど、敷居が高い点があるため、「Shopify Partner Boot Camp」や「デイトラ Shopifyコース」を使って体系的に順序よく学んでいくことは、ストア構築スキルを効率よく身につけるのに役立ちます。
デイトラ Shopifyコースのよかった点
「Shopifyの魅力の伝え方」や「無料のBASEとの違い」など、ストア構築の技術的な解説だけでなく、Shopify案件を提案して獲得していく際の営業ノウハウについても解説があります。
また、「案件をスムーズにするためのノウハウ」では、事前に炎上を防ぐポイントを学ぶことができます。クライアントと最初の打ち合わせを持つ際に確認しておきたい事項やクライアントに準備いただいたいものなどのチェックリストが提供されます。
ストア構築編では、
- 日本語が綺麗に見えるフォントの設定方法
- 「姓名」と「住所」の入力順を日本仕様にする方法
- テーマのコード編集前・アプリ導入前にテーマのバックアップを取ろう!
- プライバシーポリシー、利用規約、特定商取引法に基づく表記の作成方法
など、細かいですが重要な点の解説があります。
行き当たりばったりで作業してると抜けてしまうような項目も、講義に従って設定していくことで完成度の高いストアを構築できる内容になっています。
デイトラ Shopifyコースに含まれていない内容
「Shopify Partner Boot Camp」では、アプリ開発の講座も含まれていたため、APIやPolaris、Liquidなどの技術的な解説もありました。
一方、「デイトラ Shopifyコース」では、Liquidを変更する講座がほんの少しある程度です。
これは、「デイトラ Shopifyコース」では、開発よりもストア構築とその前後(Shopify案件獲得と、構築したストアへの集客)に重点を置いているためです。なるべくテーマに準備されているデザインを活かし、アプリを使って、コード変更を削減してNoCode的な開発となっています。
この方針には賛成で、不要な開発はできるだけ減らし、効率よく「クライアントにとっての成果」=「構築したストアの売上」を早く出していくことの方がクライアントのためになるし、クライアントもそれを望んでいるはずです。
Shopify特有の制限
WordPressに馴染んでいるとShopifyとWordPressの違いに目が行きます。どちらが良い悪いということはなく、それぞれのプラットフォームとしての特徴として捉え、うまく使っていくことが重要です。
アプリ、プラグイン
Shopifyはアプリ、WordPressではプラグインをインストールすることで機能を追加することができます。
WordPressプラグインは、無料でも高機能なものが多くあるのに対し、Shopifyアプリは有料または無料でも機能制限が大きいものが多いように感じます。しかも、サブスクリプションタイプの課金が多く、使っている間ずっと料金が発生するため、出費がかさみます。
また、Shopifyアプリは、一部のものを除きストアを正式公開した後にしかインストールできません。動作テストするにも、制作業者側でテスト用の公開ストアを持っておく必要があります。公開ストアは課金が発生するため、実際に商品を販売するわけではなくテストするためだけに料金がかかることになります。
アカウント
Shopifyは、ストアを公開すると月額課金が発生するため、支払いをスムーズに行うためにも管理者アカウントは事業者のアカウントとし、制作業者は、スタッフアカウントとして参加し、権限を付与してもらう運用になります。
リリース時に、ストア所有権の受け渡し操作が必要なため、WordPressに比べて煩雑になります。
WordPressの場合は、WordPress内の支払いは発生しないため、アカウントを2つ作成し、事業者と制作業者で使い分けるだけですみ、受け渡し操作は不要です。
デイトラ Shopifyコースで学び、実践したこと
「Shopify Partner Boot Camp」と「デイトラ Shopifyコース」を完了した後、まずは練習も兼ねて自分の商材のストアを作りました。独自ドメインも設定しました。
このストアでは、WordPressでHPを簡単に制作するためのキットを販売しています。
一般的に、WordPressテーマを導入しただけではサイトは完成しません。トップページや各ページを、ブロックを使って構築してコンテンツを作成・配置したりデザインが必要となります。また、メニューも作成したりと、大きな作業から細々した作業まで、たくさんの手間がかかります。
このキットは、トップページや各ページ、メニューなども作成済みのものを一式ご提供するため、プラグインでファイルをインポートするだけでサイトがほぼ完成します。残っている作業は、屋号や住所などをご自身のものに変える作業だけです。
自分でウェブサイトをサクッと作成したい事業者様や、個人でウェブ制作を請け負っている小規模事業者様に使っていただければと思います。
ゼロからのストア構築はできたので、しばらく運用しながら運用時に発生する問題や課題を集めてみようと思います。
次には、実際の物品商品を扱うストアを構築したいです。
デジタルコンテンツではない実物の商品を扱う場合は、在庫、配送、送料など、気をつけるポイントが増えていきます。この辺りのノウハウも蓄積していきたいですね。