問題を小さく分解する

問題を全自動で解決する大きなシステムを一気に作ろうとすると、うまくいかない場合が多いです。

なぜなら、システムが初めから完璧にできあがることはまずないからです。

システムを作る工程は、作って、動かしてみて、正しく動かない部分を修正する、という繰り返しが必ず発生します。 いきなりどかーんと大きなシステムを作ろうとすると、動かしてみてうまく動かなかった場合に、どこが間違っているのかを特定するのが難しくないります。

だから、問題を小さく分解し、自動化を複数のステップに分け、各ステップを小さな自動化として作っていき、それらをつなげて全体として大きなシステムにしていくと、効率的に仕組みを作ることができます。

また、問題を小さく分割して、それぞれを解決する小さな仕組みを作っておけば、それらは資産となります。

他の問題を解く際に、これまで作りためてきた小さな仕組みを部品として再利用できるのです。

 

この考え方は、アプリやサービスを選ぶときにも使えます。

何でもかんでもできる全部入りのアプリやサービスは、その使用用途に特化すれば便利かもしれませんが、部品としては使用しにくいので再利用が難しくなります。

例えば、ChatWork の機能 を見てみましょう。

チャット、タスク管理、ファイル共有、ビデオ通話、音声通話などの機能が提供されています。

ChatWork のアカウントを作成するだけでこれらの機能を使えるので、一見便利なように見えます。

しかし、タスク管理やファイル共有については、専用のサービスがあります。

例えば、タスク管理なら、Todoist や Trello など。 ファイル共有なら Dropbox や Google ドライブなど。

これらの専門家は、そのサービスでビジネスを行っているわけですから、その機能に命をかけていると言ってもよいでしょう。 だから、餅は餅屋に任せる方がよいと思うのです。

別のチャットサービスに Slack があります。

Slack には、チャット、ビデオ通話、音声通話といったコミュニケーションに関する機能しかありません。

しかし、Dropbox や Google ドライブなどと連携する機能があるので、ファイル共有やタスク管理の機能を追加することができます。

つまり、ファイル共有機能については、Dropbox でも Google ドライブでも、好きな方を使えばよくて、両方を使うこともできます。

この柔軟性は、全部入りサービスでは実現できません。

アプリやサービスを選ぶときにも、小さく分ける考え方を使ってみてください。